採掘

何億年蓄えられた石灰石に光を与える−採掘作業にも細心の配慮。

採掘の様子:採掘機・立坑投入・斜面作業車・積込・運搬 武甲山を愛し、限られた石灰石資源を大切に――これが武甲鉱業の生んだ高生産性の原動力です。自然と環境保護へ向けた3 社協調採掘は稼働切羽面積を拡大、重機類の増強と合理的な操業を可能にしました。

 現在主力山項ベンチは標高890m、切羽面積約21万m2、ベンチ高さ10m、作業はクローラドリルによる穿孔、爆砕後は、バケット容量13m3の大型ホイルローダと、60tダンプトラックが活躍し、深さ280mの立坑に投入します。切羽周辺部は落石防止に特に留意して、2段以上の落石防止柵を設置、小孔径での穿孔発破でひびを入れ、油圧式ショベルで処理します。

 現在切羽で稼働する重機類は約20台、これに取付けたデータボックスに運転情報が入力され、コンピュータを駆使した重機管理システムで、その採掘能率は年々向上しています。

山頂切羽全景


地質・鉱床

 武甲山には東西5km、南北1kmにわたり、最大厚さ600mの良質な石灰石鉱床が埋蔵されています。その一般走向はN70°W、傾斜45°〜80°N、下盤は緑色岩、上盤は砂岩・粘板岩の互層、珪質石灰石、チャートからなっています。
鉱山断面図

 岩質は隠微晶質で、化学的成分および物理的性質は次の通りです。
(1)化学的成分    (2)物理的性質
  圧縮強度 1,210 〜 1,248kg/cm2
  引張強度 53 〜 79kg/cm2
  ショア硬度 46 〜 55
  比重 2.59 〜 2.69
CaO 55.2   Fe2O3 0.07  
MgO 0.50   P2O5 0.015  
SiO2 0.22   (P) (0.007)  
Al2O3 0.08   Ig・loss 43.7